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運動不足解消が目的ならSITトレーニングは止めておけ

Wuppertal/Ebbegebirge

日々のトレーニングにインターバルトレーニングを取り入れている身として、以下の記事が話題になっていることに些かの憤りを覚えるものがあります。

たった5分だけで45分の有酸素運動と同じ効果の「SITトレーニング」がスゴすぎ - 文化系ハック

この記事ではSIT(sprint interval training)トレーニングという高強度インターバルトレーニングを、あたかも短時間で運動不足を解消できるように書いています。
こんな著者の人格が悪魔に支配されているかのような記事は上記のものだけでなく、検索すると1ページ目に出てくるものほとんどがそうです。
ブログメディア等のアクセス数を稼ぐために、インターバルトレーニングを効率的なダイエット法のように嘯いている輩は後を絶ちません。

下手すると死ぬぞ!?

インターバルトレーニングとは論文や取り組むスポーツによって手法はまちまちですが、おおよそ以下のようなものです。

  • 高強度の運動(20秒以上)を行う
  • その後に必ず休憩(10秒〜数分)をとる
  • 上記を数セット(5〜10セット)繰り返す

こういったインターバルトレーニングはアスリートのための身体能力向上のためのトレーニングです。
例えばマラソンランナーなら、フルマラソンを完走できるランナーが記録を伸ばすために実施するトレーニングです。 決して、短時間で運動不足を解消する魔法のトレーニングなどではありません
インターバルトレーニングの効能として脂肪燃焼や太りにくい体になるなどが挙げられますが、それらはあくまでも副次的な効果であって、主目的ではありません

このインターバルトレーニングについては、強くなりたいアスリートであったら何かしらの形でトレーニングメニューに組み込んであるので、アスリートの間であればかなり知られています。
ですが、ほとんどの非アスリートの人にとっては馴染みの薄い事柄でしょう。
だからこそ、誤解を招くような情報が溢れているのですが。

ちなみに、このインターバルトレーニングというものは、アスリートが死なない程度に死ぬような思いをするドギツイトレーニングです。
こういったトレーニングメニューを普通の人が、ましてや運動不足を解消しようとしている人が下手に真似しようとすると体を壊したり、最悪は命の危機にさらされることにもなりかねません

ありがちなインターバルトレーニングへの誤解

重ねて書きますが、インターバルトレーニングは短時間で運動不足を解消する魔法のトレーニングなどではありません。
冒頭の記事でもそうですが、インターバルトレーニングについて世間に誤解されやすい点や、メディアが隠蔽している不都合な真実を数点挙げます。

ウォームアップとクールダウンが入ってない

よく、インターバルトレーニングは5分とか短時間で終わるように紹介されます。
これが忙しい現代人にはウケがいい理由の一つですが、これは間違いです。

確かに、インターバルトレーニング自体は短時間で終わります。
ですが、その前後にしっかりとウォームアップとクールダウンをしておかないと、故障に繋がります

ウォームアップとクールダウンの時間は人によってまちまちですが、それぞれがおおよそ10〜15分程度
インターバルトレーニング自体と合わせてもだいたい30分前後の短時間で終わります。
その代わり、メチャメチャ辛いです。

運動強度の指標がない

インターバルトレーニングの運動はどれぐらいの辛さで実施すればいいのか、これが抜け落ちたままインターバルトレーニングを紹介しているメディアがほとんどです。
冒頭に記事にしてもバーピー運動を取り上げてはいるものの、実際にどれぐらい頑張ればいいのかが抜けています。

運動の辛さ、すなわち運動強度を測る指標として、酸素摂取量、心拍数、パワーなどがありますが、多くのアスリートが用いているのが測定機材を手軽に用意できる心拍数です。
心拍数を用いる場合、インターバルトレーニングの運動で最大心拍数の90%前後までガッツリ上げることになります。
最大心拍数の90%前後の運動、それはアスリートが文字通りの全力を出した時のそれです。
そもそも、普段からトレーニングをしていない人は、この領域まで到達できないはずです。

「休憩」は運動をしないことじゃない

インターバルトレーニングは高強度の運動と運動の間に休憩を挟みます。
ただ、この休憩は何もしていないOFFの状態ではなく、運動強度を下げているにすぎません。
心拍数で考えた場合、おおよそ70%前後のゾーンで運動しています。
これも大いに誤解されやすい点の一つです。

インターバルトレーニングは短時間に運動強度の上げ下げを行い、それに耐えうる身体を作るという無慈悲なトレーニングです。
決して短時間でできて、しかもトレーニング中に休憩できるなんて甘っちょろいものではありません

正しい知識を身につけよう

それではこれから正しいインターバルトレーニングを教えます・・・と言いたいところですが、それはできません。
なぜなら、どんなトレーニングが正しいかなんて人それぞれ、個々人の体格や性格、目的によっても変わってくるのですから、一概にコレってものがありません。

正しいトレーニングをするには、正しい知識を身につけることが一番の近道。
そのためには専門家による講習を受けたり、トレーナーにマンツーマンで指導してもらったりした上で、自分に合った正しいやり方を見い出すのです。
ネットの知識を鵜呑みにするのは危険です。ネットの海は汚染されています!

それと、運動不足解消が目的ならインターバルトレーニングよりも効果的で効率的ないい方法があるはずです。
もちろん、それについてもちゃんとした指導者に教わった方がいいことには変わりません。