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Ableton Live 10が発表されたので新機能や変更点を詳細に見てみる(システム編)

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先日、Abletonより「Live 10」が発表されました。
現バージョンのLive 9登場から5年ぶりのバージョンアップとなります。

本記事では先日書いた「新デバイス編」に続いてシステム関係の新機能や変更点を私なりに深読みしたものです。
Live 10に関しては既に各種メディアが情報発信してますが、どこも公式情報+α程度のことしか書いてませんので、現時点では多分ウチが一番Live 10について詳しいと思います。

www.musirak.com

バージョンアップ内容は公式ページや各種メディアが伝えているとおりですので、詳細はそれらにアクセスしてご覧ください。

www.ableton.com

システムの変更点

Live 10になることでアップデートされる部分は多岐にわたっています。
公式ページでフィーチャーされているだけでも以下のようになっています。

  • Capture
  • 複数のMIDIクリップの編集
  • シームレスなアレンジメント
  • ブラウザーコレクション
  • ノートイベントをさかのぼって追跡
  • インプットとアウトプットの名前変更
  • ミックス機能の進化
  • グループ内に別のグループを作成
  • 表示の見やすさと使いやすさ
  • Push関係のアップデート
  • 新しいサウンドライブラリ
  • Max for Liveと完全統合

どれもこれも興味を引くものばかりなので、順に見ていきましょう。

Capture

Captureはレコーディングしていない時にも演奏情報を記憶し、ふと気に入ったフレーズが出てきたときにそれを取り込める機能ですね。

この機能、すごくほしいと思ってました。
音楽制作において、アイデアなんていつ降ってくるかわからないもので、何気なく叩いているような演奏が求めていたものだったということはよくあることです。
Captureがあれば、そんな場合でもアイデアをもれなくキャッチできます。

たしか、MIDIの演奏情報をずっと記録し続ける機能がPianoteqというピアノのモデリング音源に備わっていたので、そういった機能がDAWにもあったらなと思っていました。


Ableton Live 10: Capture

複数のMIDIクリップの編集

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Liveでは他のパートのMIDIノート情報を同時に表示することに対応していなかったのですが、Live 10へのアップデートによりそれも可能になりました。
しかも、表示だけでなく編集も可能なようです。

複数パートが表示可能になることで、パート間の関係性を保ちながらの編集ができるようになります。
ドラムのリズムを見ながらベースを打ち込んだり、コードの構成音を見ながらメロディを考えることが可能になります。

私は音楽制作をジャンルを問わずにLive一本でやっていまして、オーケストラの打ち込みも例にもれません。
オーケストラの譜面は各パートとの関係性が重要なので、複数パートを同時表示できない頃のLiveで制作するときは、手書きの五線譜に起こしつつ打ち込み作業をしていました。
このアップデートで、そんな手間が解消されることを祈っています。

シームレスなアレンジメント

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Liveにはクリップをループさせることに特化したセッションビューと、他のDAWと同じような構成のアレンジメントビューの二つのビューモードがあります。
今回のアップデートで、後者のアレンジメントビューが強化され使いやすくなる運びとなりました。

Liveのアレンジメントビューは他のDAWのそれと比べると見劣りする面も少なくはなかったのですが、それのこのアップデートで解消されるようです。
もうアレンジメントビューはセッションビューの演奏を記録するだけのレコーダーじゃなくなります。

ブラウザーコレクション

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いわゆるお気に入り機能です。
MacのFinderのように、色分けして分類することが可能になり、よく使うプリセットに素早くアクセスできるようになります。

そういえば、Liveにお気に入り機能ってありませんでしたね。
私はインストゥルメントラックやエフェクトラックなどを駆使して代用していたような気がします。
今回のお気に入り機能の追加で、その辺の登録も気兼ねなくできそうです。

ノートイベントをさかのぼって追跡

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ノートの途中から再生しても音がなるようになります。
それぐらい当たり前だろって思いますけど、私が知る限りこの機能があるDAWってCubaseとLogicぐらいだったんじゃないでしょうか?

サスティンの長いストリングスやパッドの音を確認するとき、これで再生ヘッドの位置を機にする必要は無くなります。
両手で数えられるほどのパートしか使ってなければ再生ヘッドの位置を気にしながらでも問題なかったのでしょうけど、パートが増えてくるとそうも言ってられなくなり、長い音符のサスティンを忘れたままの作業になってしまうこともしばしばです。
ですが、そんな心配もLive 10が解決してくれます。

インプットとアウトプットの名前変更

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現場とかでミキサーに何のパートかがわかるようにメモを貼ったり、そういうったものを見たことがありませんか?
Live 10ではそういったことをインプット/アプトプットに対してできるようになります。
インプット/アプトプットが多い時も接続や調整のミスが防げて安心です。

宅録メインでそこまで贅沢に入出力端子を使わない私にとっては恩恵少ないかな?
でも、あればあるで活用するかも知れん。

ミックス機能の進化

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これはUtilityとEQ Eight、そしてミキサー自体の強化ですね。

Utilityはかなり使い勝手が良くなりました。
今までは多くの人が「コレどうやって使うの?」と思うエフェクト、Liveに詳しい人ならキックドラムやベースなどの低音パートをモノラル化するという使い方を編み出していたようですが、Live 10へのアップデートでBass Mono機能が正式サポートされることで、使う頻度が高くなりそうなエフェクトとなりました。
また、ゲインやパンをUtilityで操れるようになったので、ミキサーをオートメーションさせなくても良くなったのがいいですね。
ミキサーをオートメーションさせてしまうと、あとで調整したいって時に面倒でしたから。

EQ Eightはいままで20Hzまでしかコントロールできなかったところが、なんと10Hzまで行けるようになりました。

ミキサーはミキサーでスプリット・ステレオ機能が追加され、ステレオチャンネルを個別に調整できるようです。

グループ内に別のグループを作成

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これ、地味にいいアップデートですよ。
例えばドラムをグループ化した中でも、キックなどの低音部やシンバルなどの高音部をグループにして管理したりエフェクトを適用したいというときに活躍するでしょう。

大枠のグループの中に、さらに細かくグループを作りたいと思うことは度々あるもので、私も今までにもそういうことをついついやろうとして、そういえばLiveではできないんだったと思い至ることもありました。

表示の見やすさと使いやすさ

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Liveにインターフェースが現代にふさわしい形にリファインされました。
インターフェースデザインの流行りは刻々と変化していくものですから、そういう事柄に追従していくのも大事ですね。

見やすさなんて一見どうでもいいかも知れませんけど、案外どうでも良くないものです。
特に音楽制作なんてずっとDAWの画面とにらめっこしている時間が多いんですから、そこでストレスを感じることのない見た目であることは作業性向上の点で重要です。

また、従来と見た目が変わってしまうと混乱するって人もいるでしょうけど、このアップデートはおそらく新しいインターフェース用のスキンを追加するってものだと思うので、従来通りの見た目にいつでも変えられるでしょう。

Push関係のアップデート

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Live専用コントローラー「Push」との連携に関してもアップデートが施されています。
ぱっと表示されている項目が変わりすぎていたので、Push自体がモデルチェンジするのかと思い、今年にPush2を買ったばかりの私は詳細を確認するまで心穏やかじゃありませんでした。

肝心のアップデート内容は新デバイスのWavetableやEchoの詳細情報の表示、EQ EightやCompressorの表示機能の強化のほかMIDIクリップのノート情報がPushのディスプレイに表示されるようになりました。
どんどんDAWの画面を見なくても制作できるようになってきましたね。

新しいサウンドライブラリ

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Live 10の登場にあたり、新たなPackやEssential Instrumentsが追加されます。

ミュージシャンの中にはDAW標準のサウンドライブラリなんて使わないって人も多くないですけど、Live用のライブラリは編集がしやすかったり音色の変化を与えやすかったりするので、試してみるといいと思います。

Max for Liveと完全統合

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Liveの機能と可能性を拡張するMax for Live、今まではLiveとは別にMaxを立ち上げているものでしたが、Live 10からはLiveとMax for Liveが完全統合します。

完全統合による一番の恩恵は処理の最適化と高速化でしょう。
今までのMax for Liveデバイスは処理に少々重さを感じて、故に標準音源やエフェクトのように積極的に使いたいと思わなかったところがありましたが、今後はそんな心配は無用です。

また、従来のMax for Liveデバイスにもアップデートが適用され、より使いやすく、より使ってみたくなるようになっています。

これぞ「最強のLive」

Live 10へのアップデートでLiveはさらに使いやすく進化しました。
もうDAWというジャンルのソフトウェアは成熟して、アップデートのネタなんてないなんて言われますけど、まだまだ進化の余地はあるものですね。

Liveユーザーの私としても、今回のアップデートはLiveをずっと使っていると改善してほしいなと思っていたところにメスが入った感じです。
それと、Captureのような心の隅で潜在的に追加してほしいと思ってた機能が追加されたのは、まるでAbletonはユーザーの心でも読んでるんじゃないかとビックリしました*1

そんなエキサイトなユーザー体験をさせてくれるLive 10、気になるなら導入しない手はないですよ。

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*1:多分、そういう要望がフォーラムに上がってたんだと思うんですけど。