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Ableton Live 10が発表されたので新機能や変更点を詳細に見てみる(新デバイス編)

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先日、Abletonより「Live 10」が発表されました。
現バージョンのLive 9登場から5年ぶりのバージョンアップとなります。

本記事では発表された情報を元に、新要素を私なりに深読みしてみました。
Live 10に関しては既に各種メディアが情報発信してますが、時間的制約や業界のしがらみが故に好き放題書くことは難しく、どこも公式情報+α程度のことしか書いてません。
なので、そういうことと一切関係なく色々書けるウチが一番Live 10について詳しいと思います。

バージョンアップ内容は公式ページや各種メディアが伝えているとおりですので、詳細はそれらにアクセスしてご覧ください。

www.ableton.com

新デバイス

本記事ではLive 10に新しく搭載された4デバイス(シンセサイザー1つ、エフェクター3つ)についてを書いていきます。
使い勝手などの変更点については長くなったので、別記事にします。

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Wavetable

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Wavetableはその名の通りウェーブテーブルシンセサイザーです。

ウェーブテーブルシンセサイザーとはシンセサイザーのオシレーター波形をいくつも取り揃え、それらを切り替えることで時間と共に変化する音を出すのが得意なシンセサイザーです。
詳しいことは以下のリンクにて。

偏ったDTM用語辞典 - ウェーブテーブルオンゲン ウェーブテーブル音源:Wave Table Synthesisとは - DTM / MIDI 用語の意味・解説 | g200kg Music & Software

Wavetableはウェーブテーブルの波形を

  • 2基のアナログモデリングフィルター
  • 3基のモジュレーションソース
  • 3基のエンベロープ
  • 2基のLFO

によって加工するシンセサイザーの模様です。
さらに、これらをマトリックスを用いて任意のパラメーターにアサインし、自由度の高い音色編集を可能としています。

それと、Liveのインターフェース内でWavetableのデバイスを拡大表示できるのはいいですね。
Live標準のデバイスは選択中のトラックにアサインされているものが画面下の方に並び、それらを直接操作できるのが特徴的ですが、表示が小さくて操作に難のあるものもありました。
Wavetableも表示が小さいと扱いにくそうだと思いましたが、拡大表示もできるようになっているのでTPOに合わせて使い分けていけそうです。

さて、ウェーブテーブルシンセサイザーにはPPG Waveという銘機があります。
ですが、このWavetableはPPG Waveを復刻したシンセサイザーではないと思います。
というよりは、最近人気の「XFER RECORD SERUM」というソフトウェアシンセサイザーをライバル視したものでしょう。

XferRecords.com | Home of the Xfer Records VST Suite

SERUMは音も使い勝手もいいのですが、処理が結構重めなので使うのをついためらってしまいがちです。
なので、Wavetableには軽快な処理と使いやすさに期待したいところです。

Echo

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Echoはディレイをメインとした空間系エフェクトです。

Liveには「Simple Delay」「Ping Pong Delay」「Filter Delay」「Grain Delay」とディレイだけでも4つありますが、ここに新たにEchoが加わることとなります。
ディレイは音楽制作においては様々なシーンで活躍する重要なエフェクトですし、上記のディレイ達にしてもそれぞれに特徴があるので、いくら増えても困るってことはないでしょう。

このEchoは公開情報を見る限りは、センドトラックにインサートして曲全体のディレイ感を司るタイプのディレイでしょうか。
私の場合、センドトラックのディレイには他社製品のプラグインを使うことが多く、Live標準のディレイを使うことはほぼありませんでした。
Live標準のディレイは各トラックへインサートし、音作りやオートメーションで音を変化させる時には活躍しますが、センドトラックで使うには力不足なところを感じていました。
ですので、このEchoにはそういった部分を払拭し、センドトラック用ディレイを置き換えてくれることを期待しています。

Drum Buss

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Drum Bussはドラム音色をデザインするエフェクトです。
低音の鳴り、音色の響きや歪みのコントロールはもちろん、最近流行りのトランジェント調整まで、このDrum Bussでできてしまいます。

ドラムの音色は音楽の方向性を決めてしまう重要なパートです。
いくらメロディがよくて対するハーモニーの調和が取れていたとしても、ドラムの音色が曲とマッチしていないというそれだけで、その曲は音楽性の違いで解散してしまいます*1

数あるDAWの中でもビート要素を重視するLiveですが、これまではDrum Bussのようなドラム音色を積極的にデザインするエフェクトがなく、そこは他社プラグインに頼るしかありませんでした。

しかし、それもLive 10にて解決に向かうこととなりました。よかったね。

Pedal

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Pedalはオーバードライブ、ディストーション、ファズら3種の歪み系エフェクトです。
Pedalの名の通り、ギタリストやベーシストが使うようなコンパクトエフェクターをモデリングで再現したもののようです。

ペダルのコンパクトエフェクターというとギタリストやベーシストだけのものと思いがちですが、音楽制作の場ではそういったコンパクトエフェクターにシンセサイザー等のギターやベース以外の楽器にも使われています。
私もギター用のアンプシミュレーターのうち、オーバードライブのエフェクターだけを有効にしてシンセサイザーに適用するというのをやったこともあります。
また、公式ページにも

ボーカルや楽器に温かみを加えたいとき、シンセサウンドの勢いを増したいとき、ドラムの音を完全に破壊して作り変えたいときなど、「繊細」から「過激」な音作りまで対応します。

とお墨付きがありますので、色んな音にガンガン使っていっちゃいましょう。

もちろん、ギターとの相性も抜群です。

ともあるように、ギターなども使えます。
LiveにはAmpとCabinetというギターアンプとキャビネットのシミュレーターも備わっているので、Live 10へのアップデートを機にそこにPedalも加えてしまいましょう。

新デバイスの総評

音楽には流行り廃りがあります。それは音楽制作のシーンでも同じです。
今回追加された4つのデバイスは、メジャーアップデートのなかった5年間のギャップを埋めるためのものだと私は思います。
音楽制作に新たな可能性を与えるものではなく、今の音楽制作シーンに追いつくためのアップデートです。

これら4つのデバイスが新たにLiveへ加わることは、一見するとセンセーショナルな話題なので、多くの人の目はそこへばかり向いてしまいます。
ですが、今回のLiveのアップデートにて注目すべきは、今回紹介した新たなデバイスの追加ではありません。
いや、それはそれでうれしいことなんですけどね。
むしろ、次の記事で紹介する予定の新機能や変更点こそが、Liveが10になったことでLiveを使うミュージシャンへの多大な恩恵となるはずです。

新デバイス以外の変更点についての記事はこちら!

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*1:バンドが音楽性の違いで解散する理由はまた別にあります。