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モジュラーシンセサイザーに興味が湧いてきてしまった

Eurorack

先日のAbleton Meetup Tokyoにて齋藤久師さんの奏でるモジュラーシンセサイザーの音を聞いたのをきっかけに、モジュラーシンセサイザーに興味が湧いてきてしまいました。
モジュラーシンセサイザーの存在は知ってましたが、あくまでネットやYouTubeでの情報のみ。
それらからの情報では特に魅力を感じるところはありませんでしたが、実際にモジュラーシンセサイザーの音を聞いた後では考えが180度変わってしまっていました。

シンセサイザーの中でも特にディープな領域、本記事ではそんなモジュラーシンセサイザーを取り上げてみます。

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モジュラーシンセサイザーとは

普通、シンセサイザーと聞いてイメージする物は、ミュージシャンがステージ上で弾いているいろんな音が出る鍵盤楽器を想像するでしょう。
もう少し音楽に詳しい方でしたら、つまみがいっぱい付いていてビキビキと音を鳴らしたり、音を変化させたりする楽器を想像するでしょうか。
どちらも正解、要は様々な音を出せる電子楽器のことです。

さて、今回取り上げるモジュラーシンセサイザーとは「シンセサイザーを構成する要素を自由に組み合わせられるシンセサイザー」のことです。
シンセサイザーを構成する要素は大まかに「音を作り出す部分」と「音を加工する部分」と「それらを制御する部分」に分けられます。

普通のシンセサイザーはそれらがすべて一体となっていますが、モジュラーシンセサイザーはそれらが一つ一つの「モジュール」として分けられています。
このモジュールは「ユーロラック」という規格によって標準化されているので、様々なメーカーが販売しているモジュールを自由自在に組み合わせることができます。
メーカーと一言に言っても、世界的に有名な企業から少人数で営んでいるガレージメーカーまでなんでもあり。
中には個人でオリジナルのモジュールを自作する猛者までいます。
そんなモジュールを各々が選び抜いて組み合わさった物がモジュラーシンセサイザー、言わば世界に一つだけのオリジナルシンセサイザーです。

姿形も十人十色なモジュラーシンセサイザー、だからこそ魅かれるものがあるのです。

モジュラーシンセサイザーが奏でる音楽


Colin Benders Live at Amsterdam Dance Event 2016

初めてモジュラーシンセサイザーの音楽を聴くと、「ただ音が出ているだけ」とか「こんなの音楽じゃない」というような身も蓋もない感想が飛び出てくることでしょう。
いやはや、全くその通りですね。

ただ、慣れてくるとジャズのインプロビゼーションのような、ルールに縛られない自由さを感じ取ることができるのではないでしょうか。
むしろ、聞き慣れたポピュラー音楽は音楽理論にがちがちに縛られた去勢された音楽ではないかとさえ思えてこないでしょうか。

様々な制約から解き放たれたプリミティブな音、そんなモジュラーシンセサイザーの音に私は魅力を感じたのかもしれません。

モジュラーシンセサイザーは難しい

そうはいってもモジュラーシンセサイザーの導入は何かと難しいものがあります。

まず、とにかく金がかかります。
モジュールは一つが最低でも1万円ほどしますし、それらモジュールを収納するケースも数万円は下らない代物です。
最低限シンセサイザーとして成立するものを揃えるだけでも数十万円の出費は覚悟しなければならないでしょう。

次にシンセサイザーの知識がいります。
モジュラーシンセサイザーを構築することは、すなわち一からシンセサイザーを作ることと何らか変わりません。
なにも考えずにモジュールを買ってきて組み合わせても、そこから音が出てくるものではありません。
少なくともシンセサイザーとは何物でどういう原理で音が出ているのかぐらいは知っていないと話になりません。
シンセサイザーはプリセット音色しか使えなかったり、できてカットオフとレゾナンスをいじれるぐらいでは論外、せめて普通のシンセサイザーのパラメータが各々何を意味していていじるとどうなるかぐらいは理解している必要があります。

さらにはモジュラーシンセサイザーの構築には時間がかかります。
金と知識の課題をクリアしたとして、自身の求めるモジュラーが店頭に並んでいるとは限りません。
店頭在庫やメーカー在庫がないモジュールなんてしばしばです。
日本ではモジュラーシンセサイザーは音楽の中でもまだまだマイナーで、ゆえに取り扱っている楽器店や日本に製品展開しているメーカーもそう多くはありません。
そのため、希望するモジュールを揃えるにも一苦労です。
特にガレージメーカーのモジュールであれば個人輸入するほかないでしょう。
受注生産するようなモジュールならなおさら時間がかかります。

楽器店に赴いてポンと買えるシンセサイザーと比べれば、モジュラーシンセサイザーのハードルは高いと言わざるを得ません。

セミモジュラーシンセからトライ

このように、モジュラーシンセサイザーはおもしろそうな楽器ではあるものの、何かと面倒なもののようです。
それでもモジュラーシンセサイザーを体験してみたい、そんな人にはセミモジュラーシンセサイザーはどうでしょうか。

セミモジュラーシンセサイザーとはシンセサイザーの要素を一体化しながらも、モジュラーシンセサイザーの醍醐味であるパッチングを可能にしたシンセサイザーです。
パッチングとはシンセサイザーの信号を自由に繋げることで、これこそがモジュラーシンセサイザーが普通のシンセサイザーとは大きく異なる音を出せる秘密です。
セミモジュラーシンセサイザーの自由度はモジュラーシンセサイザーに迫るものがあり、それでいてモジュラーシンセサイザーを揃えるよりも安価かつ入手しやすいシンセサイザーです。

私が気になっているセミモジュラーシンセサイザーは「Moog Mother-32」


Mother-32 | Semi-Modular Analog Synthesizer

シンセサイザーの要素が全部詰まったセミモジュラーシンセサイザーで、パッチングせずとも音を出せますし、パッチングを駆使すればさらに音色の幅は広がります。
またユーロラックにも対応しており、モジュラーシンセサイザーのモジュールとして組み込むことも可能。
さらには、多くのミュージシャンがあこがれるMoogのシンセサイザーが10万円を切る価格で手に入れられるのもいいですね。