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音楽制作に関することをメインに、他には趣味の話もぼちぼち書いているブログです。

Ableton Meetup Tokyoに行ってきました

去る2017年4月21日、世田谷区三軒茶屋の「Space Orbit」で開催された「Ableton Meetup Tokyo」にお邪魔してきました。

メインのプレゼンターによる講演はもちろん、アフターイベントでも他のLiveユーザーたちとの交流を深めることもでき、とても充実したイベントでした。

Ableton Meetup Tokyoとは?

Ableton Meetup Tokyo(以下AMT)はAbleton Liveユーザーのコミュニティーイベントです。
Abletonの名前を冠していますが、メーカーが主催するイベントではなく、有志が集って作り上げたイベントです。
そのため、メーカー主催イベント特有の堅苦しさがない、緩やかな感じの雰囲気のイベントです。

こういったMeetupイベントは日本だけでなく、世界中の国々で行われているようです。

Liveは音楽制作用のソフトではありますが、今やリアルタイムパフォーマンスやメディヤアート、果てには医療関係にも使われるほどの多様性に富んだソフトとなっています。
そのため、自分とは異なるLiveの使い方をしているユーザーとの異業種交流会的な側面もあります。

プログラム

今回のプログラムは以上の通り。
画像右下方ではプレゼンのトップバッターを務める森谷 諭さんがスタンバッています。

今回のAMTの内容はビギナー向けという触れ込みでしたが、ビギナー向けにプレゼンするにはプレゼンターはなんでも知っていなければならないということで、今回のプレゼンターは全員がAbletonの認定トレーナーの資格持ちという豪華さ。
私はLiveビギナーではないと自負しておりますが、この豪華メンバーと単にビギナー向けの説明には止まらないだろうと思って参加してみました。
そして、この判断は大正解でしたね。

プログラムとプログラムの間にもDJを務めるbaseHEADさんがいい感じに曲をかけていたのもこれまたGOOD。

8小節から先の世界

プレゼンのトップバッターは森谷 諭さんによる「8小節から先の世界」

Liveはループするフレーズを組み合わせていく作曲スタイルが得意なため、作業を進めていくと短くともいい感じのループフレーズができあがるものです。
ですが、その短いループからどうやって曲の展開を発展させていくかに困るもので、そこで詰まってしまうと結局は曲が完成せずというパターンに陥るものです。
そんな未完成のプロジェクト、HDDの中に眠っていませんか?

今回森谷さんが提案したのは、いい感じのフレーズができたらそれを曲の一番盛り上がる部分にするという作曲法です。
そのためには、できあがったいい感じのフレーズからパーツを抜いていく、例えば曲のイントロ部分はピアノのみを鳴らして、徐々に鳴らすパートを増やしていくという手法です。

そんな方法で曲が成立するのかと疑問に思うでしょう。
そんな疑問を払拭すべく、森谷さんはプレゼンの最後に自身が紹介した手法で作った曲のプロジェクトを公開していました。
ちゃんと曲として成立しているだけでなく、いい感じに仕上がっていたので、プレゼンの説得力は増し増しです。

音楽制作初心者が「8小節から先の世界」に到達する道標となるプレゼンだったと思います。

DJから始めるAbleton Live

続いてはDJ Atさんによる「DJから始めるAbleton Live」

DJ用のソフトウェアにはTRAKTORなどがありますが、LiveでもそういったDJ用ソフトに負けないDJセットを用意することができます。
最近ではDJから音楽を始める人も多いですが、音楽活動を続けていると自分のオリジナル曲を作りたくなるもので、そういった人がよく手に取るのがLive。
Liveを使いこなすにはLiveの勉強をしなければなりませんが、だったらDJでLiveを使ってみればいいじゃんという発想で、DJセットを作ってみようというプレゼンでした。

DJがやっていることをざっくりと言うなら、「曲をとぎれないようにかけ続ける」でしょうか。
そのためには曲のテンポを合わせたり、イコライザーを駆使して前の曲と次の曲をミックスしたり、あとは展開にアクセントをもうけるべくエフェクトを駆使することでしょうか。
そういった作業をLiveの機能によって実現していく様は、自分と同じソフトを使っているとは思えない物でした。
私はDJを嗜むものではありませんが、音楽制作においても応用できる部分は多々ありました。

このプレゼンでLiveの懐の広さを垣間見たような気がします。

What is Swing & Groove?

最後はJosh Bessさんによる「What is Swing & Groove?」

ジャズドラマーとしてニューヨークで活動していたJoshさんですが、彼はそんな経験から導かれたグルーブの作り方を伝授してくれました。

グルーブには8ビートや16ビートなどに合わせたストライドなビートのほかに、ジャズなどで用いられる3連符を基調とするスウィングなビートがあります。
Joshさんはそういったビートに縛られるのではなく、それらのビートの間から最適な位置を導き出すことを今回のプレゼンで提案しました。
プレゼンでは説明に従って実際にビートを構築してみせ、機械的なビートに有機的な要素が生まれることを実演しました。

このプレゼンの内容を実践してみれば初心者っぽい要素は消え失せることでしょう。
今回のプレゼン群の中では応用編的な内容に位置づけられるものでしたが、それでも音楽制作初心者が立つ初心者するための足がかりとなるという意味では初心者向けの説明だったと思います。

アフターイベント

ためになるお勉強タイムの後にはただひたすらに音楽に酔いしれるアフターイベント「Root up」が催されました。
一晩中音楽が鳴り止まない時間を始発が動くまで堪能してきました。

このイベントではAMTをきっかけに結成された「Tokyo Dub Techno Syndicate」がライブに参戦。
AMTはLiveのお勉強をするだけでなく、こうやって新しい出会いとつながりを築くことにも一役買っているのですね。

AMTよいとこ一度はおいで

AMTはAbletonの名を冠していたり、Liveで音楽制作するミュージシャンをメインターゲットにしているものの、これから音楽制作を始めてみたいという人やLive以外のDAWを使うミュージシャンが訪ねてみてもいいイベントだと思います。
Liveを使ってなかったとしても囲んで棒で叩かれるなんてことはありませんし、そもそもLive使いの人も特定の作業をするときは別のDAWを使うなんてことはよくある話なので、CubaseやLogicなどの話をしてもちゃんと答えてくれる人もいる可能性が高いです。

また、今回の「What is Swing & Groove?」のプレゼンのような、Live以外でも応用できる内容の講義があるほか、音楽制作における心構えを説くようなプレゼンもあるので、音楽制作に関わる人なら誰でも関心を持てると思います。

さて、次回のAMTは2017年6月16日に開催されます。
現在の会場であるSpace Orbitさんは手狭になってきており、今回にしても参加者がすし詰め状態でしたので、次回からは恵比寿の「Time Out Cafe & Dinner」に移転しての開催となります。
AMT発足当時の参加者は一桁だったらしく、主催側もここまで成長したことに驚いているようでした。

AMTはミュージシャンや音楽制作に興味がある方なら気張らず気軽に参加してみてもいいと思います。
メーカー主催のイベントや勉強会のようなものとはまた違った雰囲気で、楽しみながら学べる面白いイベントです。
もしかしたら、新たな出会いや発見があるかもしれませんよ。

そして、私も次回のAMTにもなんとか都合をつけて伺いたいものです。