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ペダルを漕いでいれば何処まででもいける・・・そう思っていた時期が私にもありました。

遊戯王の新作映画「遊戯王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS」を鑑賞してきました

ごらく ごらく-マンガ・小説

photo by kaykaybarrie

遊戯王誕生から20周年となる今年2016年、新作映画として原作漫画の続編となる「遊戯王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS」が公開されました。 ということで、原作ファンとして早速見に行ってまいりました。

遊戯王のネームバリューが成せる技なのか、アニメ映画にありがちな都市部でしかやっていないなんてことはなく、ちゃんと長野でも鑑賞することができるのは嬉しいですね。

本記事ではネタバレ控えめに映画の感想について述べていきます。

遊戯王とは

さて、映画の感想に先立って「遊戯王って何のこと?」という方にざっくりとした説明です。 遊戯王ファンからすれば冗長だったり語弊のある表現で説明していくことになるかもしれませんが、わかりやすさ重点ということでご容赦ください。 遊戯王のことを忘れてしまった方も、これを機会に思い出していただければ幸いです。

遊戯王は1996年から2004年にかけて週刊少年ジャンプにて高橋和希によって連載されていたカードゲームを題材にした漫画、および漫画を原作としたカードゲーム、ビデオゲーム、スピンオフやアニメなどのメディアミックスです。 遊戯王の系譜は2016年現在まで続いており、シリーズ化もなされています。 特に、ジャンプで連載されていた漫画を題材とした作品は「初代遊戯王」と呼ばれています。

主人公はゲームが大好きな高校生「武藤遊戯」と、彼が古代エジプトの遺跡から発掘された「千年パズル」を組み立てたことで発現したもう一つの人格「闇遊戯」。そんな遊戯と、遊戯の親友でありライバルでもある凡骨「城之内克也」と、遊戯のもう一人のライバルでありツンデレ枠己が目的のために孤高を貫く「海馬瀬人」をメインキャラクターに据え、カードゲームによるバトルや千年パズルの秘密に迫っていくという内容です。 カードゲームの漫画的演出や互いの心を読み合う心理戦、そして古代エジプトにまつわるオカルティックな内容が合わさった本作は、ジャンプを代表する連載作品でした。

今回の映画は「初代遊戯王」のアフターストーリーを描いたもので、なんと原作者の高橋和希氏が製作総指揮を務めるという、正真正銘の続編映画となっております。 原作ファンにはたまらない作品です。

「デュエルモンスターズ」について

photo by kpishdadi

遊戯王とは切っても切り離せない「デュエルモンスターズ」についても少しばかし触れておきましょう。

遊戯王ではデュエルモンスターズ(原作では「マジック&ウィザーズ」)というカードゲームを用いて、プレイヤー同士で対戦することがシナリオの根幹となっていますので、ここを避けて遊戯王を説明することはできません。

デュエルモンスターズのおおまかなルールは以下のとおりです。 漫画やアニメ、映画を楽しむのであればこの辺を把握していればなんとかなるでしょう。 詳細なルールはここで説明するには文量が多すぎるので、興味がありましたら各自ルールブックを参照ください。

  • デュエルモンスターズで対戦することを「デュエル」と呼ぶ。
  • プレイヤーはデュエルに臨むにあたって、「デッキ」と呼ばれるカードの束をあらかじめ用意する。
  • デュエル開始時、互いのプレイヤーには「ライフポイント(LP)」という生命力を数値化した点数が与えられる。
  • カードには相手を攻撃したり自分の身を守る「モンスターカード」、デュエルを有利にすすめる「魔法カード」、相手の行動に反応して使うことができる「罠カード」がある。
  • 互いのプレイヤーはカードを駆使して、時には相手プレイヤーを肉体的精神的に直接攻撃してLPを減らし合う。
  • 先に相手プレイヤーのLPを0にしたプレイヤーがデュエルの勝者となる。
  • デュエルに敗北したプレイヤーは稀に死ぬことがある

遊戯王を知らない方や詳しくない方向けに把握してもらうために端折ったり噛み砕いたりしたために、語弊がある部分はあると思いますが、これで大体あっているんじゃないでしょうか。

また、このデュエルモンスターズは実際にカードゲーム化もされています。 そのため、実際に遊んだことのある人も少なくないかと思います。

鑑賞した感想

さて、前置きがやたらと長くなりましたが、ここからは鑑賞した感想です。

結論から言うと遊戯王ファン、特に初代遊戯王の原作のファンならサティスファクションできる一本でした。 劇伴や効果音にもニヤリとする場面もありましたね。

今作は初代遊戯王ファンに向けて作られているということもあり、現在の遊戯王シリーズまで把握していないと楽しめないということはありません。 初代以後の遊戯王に関係するものは出てこないのでご安心ください。

ストーリーとキャラクター

今作の映画は原作のラストから1年後の出来事ということで、高校卒業を前に遊戯たちは将来のビジョンを描き、未来の夢に向かって歩もうとしています。杏子がダンスの勉強をするためにアメリカへ行きたいという原作設定がちゃんと拾われているのもGOODですね。

対して遊戯のライバルである海馬は、自分をデュエルで負かした遊戯の別人格である闇遊戯であり、古代エジプトの王(ファラオ)でもある「アテム」ともう一度デュエルすることを夢見て、過去を追い求めています。

キャラクター間のコントラストも明確に作りこまれているのが面白いですね。

追い求めるものが未来か過去か、主人公陣営とライバル陣営できっちり切り分けられているので、シーンの切り替わりが明確で気持ちいですし、両者がデュエルで交わるというシーンに重みを感じることができました。 また、原作においては遠い過去に失われた王(ファラオ)の記憶を追い求めていた遊戯たちと、最新のテクノロジーと未来を追い求めていた海馬というキャラクター間の対比がありましたが、これらの関係が今作では逆転しているというのも面白いですね。

そして、今作の敵となる新規キャラの「藍神」は急に湧いてきたキャラではなく、原作での因縁と解消されなかった伏線が絡まった、原作ファンにとってもたまらない設定のキャラクターになっています。

このように、今作では原作のキャラクターを更に深く作りこんており、まさにファンサービスの大盤振る舞いといってもいいでしょう。

デュエル描写

遊戯王の見せ場といえばデュエルですが、今作ではその点も非常に充実しています。

映画ならではの情報量の多い作画、フィールドを駆け巡るモンスターの3DCGや派手で見応えのあるエフェクトは圧巻の出来です。 多分、一度見ただけでは全容を把握できないボリューム感があります。 そんなデュエルが劇中で何度も繰り広げられるということで満足度は高いです。

また、デュエルの展開がテレビシリーズのものと比べてスピーディと言うのも特徴です。

テレビシリーズの場合、実際のカードゲームの販促という側面もあるため、カードのテキストやルールについての説明を毎度毎度説明があります。 それはそれで互いのプレイヤーがどのような状況下にあるかがわかっていいのですが、どうしても展開のテンポは悪くなってしまいます。 中にはずっとカードのテキストを読み上げるだけで、キャラクターとしてのセリフと一切言わないなんてこともあります。

さて、今作ではそういったカードやルールの説明はありません。 モンスター同士の攻防やプレイヤーの魔法や罠を丁々発止と発動しあう様は、テレビシリーズでは味わえないでしょう。 何が起こっているかがよくわからない、そんなことは瑣末な問題です。

そしてデュエルのルールについてですが、初代以後に追加されたシンクロ召喚、エクシーズ召喚、ペンデュラム召喚というようなルールはありません。 そのため、最近のシリーズの動向を知らない遊戯王ファンでも大丈夫です。 その代わりに「次元領域デュエル」という映画オリジナルのルールが展開されますが、これはプレイヤー同士が通常ルールでは召喚に時間のかかるエースモンスターをすぐさま召喚してバトルするために設けた、スピーディーな展開を促進する舞台装置として捉えてもいいでしょう。

映画を見るなら合わせて原作も

今作「遊戯王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS」は、遊戯王ファンであれば劇場で満足できる一本であることは間違いないでしょう。 ですが、遊戯王を全く知らない人はもちろん、この10年の間に原作を忘れてしまった方にとってはわけのわからないままに終わってしまう映画であることも否めません。

今作は初代遊戯王の続編という位置づけのため、初代遊戯王の事の顛末を視聴者が全て把握した上でストーリーが進行します。 名探偵コナンの映画のような冒頭での作品説明はありません。 原作を全てフォローしていないと、今作を楽しむことは難しいといえるでしょう。

そんな方で今後今作を見る予定があるのでしたら、ぜひ原作を一度読んでおくことをおすすめします。 今なら完全版ともいうべき文庫版も発行されていますし、電子書籍なら映画公開を記念してセールをやっていることもあるので、比較的入手しやすい状態であるといえるでしょう。

また、デュエルモンスターズやデュエルについては本記事で触れた程度のこと、それも覚えきれないようなら「相手プレイヤーのLPを0にすれば勝ち」ぐらいのことを頭に入れておけば大丈夫だと思います。

ガッチャ!楽しい映画だったぜ!