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musirak.com

音楽制作に関することをメインに、他には趣味の話もぼちぼち書いているブログです。

明治時代の日本にサックスは存在したのか?

現在、金曜ロードショーで「3週連続 るろうに剣心祭り」と題して、実写映画版のるろうに剣心シリーズを放映しています。

原作マンガでは1対1のバトルがメインでしたが、映画では集団における乱戦に力を入れていることが見て取れます。 原作と映画のどちらが優れているかと比べるのは愚かしいことです。それぞれに魅力がありますので両方共チェックすべきでしょう。

そして、「るろうに剣心 京都大火編」の最後に登場した謎の男(福山雅治)の正体は、一体何山雅治なんでしょうか。11月6日の「るろうに剣心 伝説の最期編」放送が気になるところです。

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明治時代にサックスというミスマッチ

photo by Haags Uitburo

さて、「るろうに剣心 京都大火編」を見ていたら、1つ気になる部分がありました。 それは大道芸人がサックスを演奏していたシーンです。 時間にして数秒ほどのワンシーンでしたが、本編の中で印象に残ったシーンでした。 刀を腰に差した流浪人と精密な金属加工で作られたサックスってミスマッチもいいところですし。

映画を作る上では当時の町並みを再現するために風俗資料などを調べているでしょうし、明治時代にサックスは日本にあったのは本当なのでしょう。

ただ、1878年に日本に存在したサックスはどういった素性のものなのか、大道芸人がどのようにサックスを入手したのか、なぜ大道芸人はサックスを選んだのかと、映画本編では決して語られることのない部分が気になったので調べてみました。

サックスの発明

まずはサックスはいつ生まれたというところからです。

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サックスは1840年代にアドルフ・サックスによって考案され、1846年に特許を取得されています。 サックスは従来の木管楽器と金管楽器のいい部分を併せ持った、まさに画期的な発明でした。

ですが、クラシックの楽器としては新しい楽器ということで、サックス登場以前に書かれた多くの有名な曲のオーケストラ編成には組み込まれていません。 サックスの知名度が上がり花型楽器となるのは、1920年代にアメリカへと渡りジャズに使われるようになるまで待たなければいけません。

ですが、クラシックにおいてサックスを用いた曲は当然存在します。 有名所を上げると、ビゼーの「アルルの女(1872)」や、ラヴェル編曲の「展覧会の絵(1874)」あたりが、るろうに剣心の時代設定である1878年近辺に創られたサックスを組み込んだ曲です。

アルルの女では第一組曲の序曲にて印象的なソロをとっている(3:30あたり) www.youtube.com

展覧会の絵でもソロをとっているが、ここ以外ではサックスの出番はない(6:00あたり) www.youtube.com

ということで、明治時代にはすでにサックスは実用的な楽器になっていました。

映画に登場したサックスの素性

photo by chad_k

1846年にアドルフ・サックスはサックスの特許を取得しましたが、それと同時に独自の工房を立ち上げてサックスの製造に取り掛かっていました。 しかし、20年後の1866年にはサックスの特許が切れることになります。 この後、アドルフ・サックスは1881年に再び元の特許を取得しますが、1866年~1881年の15年間はサックスに特許は存在しない事になります。

サックスの特許が切れている間は、アドルフ・サックスの工房以外でも各地の楽器職人たちが思い思いのサックスを作っていたことでしょう。 つまり、サックス自体はかなり市場に出回っていたと思われます。

よって、特許が切れたということで市場に多く出回っていたサックスのうちの1本が、明治時代に舶来品の市場かどこかで大道芸人の手に渡ったのだと推測されます。

るろうに剣心の時代設定からすると、今も銘器として語られていたりするサックスを使っていたということはなさそうです。 サックスの銘器というとSelmer USA Mark VIが挙げられますが、当然のように明治時代には存在しません。 チャーリー・パーカーが使っていたことでお馴染みのコーンのサックスも最初のモデルが作られたのは1888年、現在もサックス作り続けている老舗のセルマーでも創業は1885年です。つまり、現在に知られるようなメーカーのモデルではないようです。 ということで、使用されていたであろう機種までは特定できないみたいですね。残念。

大道芸人サックスを吹いていた理由

大道芸人は目立ってなんぼです。 ということで、ちょっと変わった目新しい楽器だからとサックスを吹いていたのかもしれません。

また、サックスには操作しやすいというメリットがあります。 そのため、金管楽器では難しい早いパッセージも容易にこなせます。 そして、それでいて金管楽器のような派手で大きな音が出せます。 それらが組み合わさって、より目立つ演奏ができるのです。

楽器自体が珍しいということ、さらには派手な演奏が容易にできるということから、大道芸人はサックス片手に街で演奏していたのではないでしょうか。

ミュージシャンはこんなことばかり考えてる

とりあえず色々調べてたり思い出したりして書いてみましたが、るろうに剣心の内容とは一切関係ないところで勝手に盛り上がっていた感じです。

まあ、ミュージシャンってのは普通に映画を見ててもこんな下らないことを考えているということを頭の隅っこにでも置いておいてください。 多分、私以外の方も同じような思考をしていると思いますよ。