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musirak.com

音楽制作に関することをメインに、他には趣味の話もぼちぼち書いているブログです。

TR-808やTR-909の思想を受け継いだElektron

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以前の記事ではダンスミュージックでの定番となったTR-808とTR-909が再登場するまでに30年の間があったことに触れました。

しかし、TRシリーズが再び市場に現れる30年の間に、別のメーカーからTRシリーズの遺伝子を継ぐ製品が現れました。 それがElektron社です。

Elektron

Elektronとは

Elektronはスウェーデンの企業で、SID stationというシンセサイザーを発売したことを機に世に知られることとなりました。

SID stationとはCommodore 64というPCの内臓音源チップ「SID6581」を音源としたチップチューン向きのシンセサイザーです。

ビンテージ・チップSID6581を利用したデジタル・シンセ | シンセ/音源モジュール | サウンド&レコーディング・マガジン

SID6581については以下の記事を参照ください。

blog.sfpgmr.net

現在はダンスミュージック系の機材をメインに開発・販売しています。

Elektronの製品たち

ElektronのシンセサイザーにはTRシリーズのように横一列に並んだランプ付きのボタンを用いたシーケンサーを搭載しています。 この方式のシーケンサーを搭載した機材はTRシリーズのクローンを除くと、Elektron製のシンセサイザーとKorgのElectribeぐらいでしょうか。

また、Elektronのシンセサイザーにはパラメーターロックという機能が備わっています。

パラメーターロックとは発音のタイミングごとにシンセサイザーやエフェクトのパラメータなどを細やかに変化させられる機能です。 やり方も発音させたいタイミングのランプ付きボタンを押しながらつまみを回して設定するだけと直感的です。 これにより1音ごとに音色をかけたり、1拍目だけにエフェクトをかけたりというような、DAWでやろうとすると面倒臭いテクニックが簡単にできるという優れものです。

Machinedrum

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Machinedrum SPS-1UW+ MKIIは非常に自由度の高いドラムシンセシスメソッドとサンプリングエンジンが統合し鮮明なリズムを創り出す未だかつて無いツールです。

MachinedrumにはPCM、バーチャルアナログ、物理モデリングなどの様々な発音方式のドラムシンセサイザーが用意されています。 基本的にはドラム専用のシンセサイザーですが、パラメーターロック機能を駆使することで音階を作り出すこともでき、これ1台で作曲可能な優れものです。

2016年6月生産終了。入手はお早めに。

Monomachine

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Monomachine SFX-60+ MKIIは5種類の異なる音源が搭載されたシンセサイザーとシーケンサーが統合した究極のサウンドジェネレーターです。理想のシンセサイザーがここに到来しました。

Monomachineは単音のみを鳴らせるモノフォニックシンセサイザーを6基搭載したシンセサイザーです。 Machinedrumと同様、様々な発音方式のシンセサイザーを選ぶことができます。 さらに、6音のポリフォニックシンセサイザーとして扱うことも可能です。

2016年6月生産終了。入手はお早めに。

Octatrack

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Octatrack DPS-1は8トラックのパフォーマンスサンプラーで、今までのサンプリングの概念に革命をもたらします。一つのマシンで未だかつて無い可能性が広がります。

これは厳密にはシンセサイザーではありません。 サンプラーという何かしらの素材を加工して音楽を作り出す機材です。 そのため、他のElektron製品とは性質が異なります。ですが操作性と楽しさは変わりません。

詳細記事を書きました。Octatrackをもっと知りたいときは、こちらも参照ください。

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Analog Four

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Analog Four は、デジタルとアナログの両環境に最適な製品です。Elektronの非常に正確なシーケンス機能により、アナログ合成機能が強化された、現代的なアナログ・シンセサイザーです。

Monomachineはデジタルシンセサイザーですが、Analog Fourはアナログシンセサイザーになります。 アナログ特有の太い音が特徴です。 基本的には4つのモノフォニックシンセサイザーとして動作しますが、4音のポリフォニックシンセサイザーとしての動作も可能です。

メロディの打ち込みに関してもMonomachineより進化しており、鍵盤型に配置されたボタンによってパラメータロックを行ったり、リアルタイムに演奏することでメロディを打ち込むことができます。

Analog Keys

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Analog Keys は、アナログ・シンセサイザーのフラグシップ・モデルです。アナログ・シンセシスとデジタル・コントロール、これまでになかったプレイヤビリティにより、表現力豊かなミュージシャンのための楽器となりました。

Analog KeysはAnalog Fourにキーボードが備わったモデルです。 機能的にはAnalog Fourと同じになります。 インターフェースもシーケンサもAnalog Fourと同じですし、下部キーボードを用いた打ち込みも可能です。

Analog Rytm

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Analog Rytm は、この1台ですべてを可能にするビートマシン。サンプルを融合させた強力なアナログ・ドラム・サウンド。ドラム・パッドの即興性とElektronのシーケンサーが一つになった完成形。

Analog RytmもまたAnalog Fourと同様にアナログシンセサイザーです。TR-808をリスペクトしつつ、現代的にアレンジを施したシンセサイザーです。 他のElektronマシンと同様にランプ付きボタンを使っての打ち込みの他、12個のパッドを使ってリアルタイムでの打ち込みも可能です。

Analog Rytm1台のみで作られたアルバムもある模様。 Analog Rytmの奥深さが伺い知れます。

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Elektron沼にご注意

Elektron製品それぞれを簡単に紹介してきましたが、それぞれが異なる方式やコンセプトの製品であるため、各々の優劣がつけられません。

みんなちがって、みんないい。Elektron製品はそれぞれの尖った個性をどう料理するかが非常に楽しいマシンなのです。

そのため、Elektron製品の愛好家たちは、1つElektron製品を買うと他の製品も欲しくなるという、Elektron沼に陥りやすいのです。 これはElektron製品の音質もさることながら、操作性の良さ、そして高級感あるボディによる所有する喜びを味わえるなどが、沼にはまりやすい原因です。カメラのレンズ沼みたいなものです。

皆様、どうかElektron沼に沈まないようにお気をつけ下さい。私も沼に沈まないように気をつけます。

MachindrumとMonomachineの生産終了

長らく多くのミュージシャンに愛されてきたのMachinedrumとMonomachineも生産完了となるようです。 誕生から15年、バージョンアップを繰り返して入るものの、これほどまでに息の長いリズムマシンとシンセサイザーもそうそうないでしょう。

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最終ロットが市場から売り切れれば、以降は中古品を探して入手するしかなくなります。 導入を検討されている方、入手はお早めに。後悔先に立たずです。